第十曲 祭典の街
周囲の建物には飾りが付けられ、
空にはたくさんの気球が浮かんでいます。
そこはまさにお祭りムード一色の場所でした。
周囲の建物には飾りが付けられ、
空にはたくさんの気球が浮かんでいます。
そこはまさにお祭りムード一色の場所でした。
「わーい、ヘンテコリンがいっぱい!」
「楽しいところだね、コロタン!」
「はい。ここはこの街の、いや…この国の中心と言っても過言ではないノデス!
ワタシもごく稀にしか来られないので、
少々ヒートアップしてきましたヨッ!」
「おっきいパンダさん!」
「はい、パンダビルは時計塔と並んで
この街のランドマークなのデス。
お祭りの期間はあの屋上パンダが稼働すると聞いていたのですが、動いてませんネ…」
「面白いおもちゃいいっぱい!
こんなすごい所はじめて来たよ!」
ポプリは周りの活気に圧倒されながらも
目をキラキラさせています。
「ここに来ただけでも価値があるってモノです!
さぁ、あっちへ行って見ましょう!」
大勢の人波をぬうようにして、
中心のモニュメントの前まで行きました。
「どうですか、ポプリ。 聞こえマスカ?」
「ん〜ダメね、聞こえない…
周りの音が大きくてよく分からないのかも…」
「ここなら、街中の意識が集まっていそうで聞こえるかと思ったのですが…
そうは問屋が卸しませんネ」
それらしいおもちゃがいないかロコタが周囲を見渡していると、
「あっ、聞こえる!」
「おおっ、本当デスカ!
どの辺りからデショウ?!」
「ほらっ コロタン、わたしのお腹の方から!」
「どおっ!?」
「いや…どおって言われても…
お腹が空いているのデスカ?」
「う、うん…」
では食事にシマショウカ!
「やったー!」
「…というか本当に鳴るのですね。
ちょっと感動しましたヨ」
パレードまで時間に余裕があった二人は、
広場周辺を散策することにしました。
「コロタンっていろんなこと知ってるね?
この街のこととかさ」
「毎日、本やネットを見て勉強してますノデ!」
「そうなんだぁ、偉いんだね〜
えっ ねっと?」
「ハイ、最近我が村にも導入されたのですよ!
あれは果てなき情報の宝!!
それとネット上で色々な人とコミュニケーションがとれるのが面白いデス!」
「楽しそうだね! みんなお友達なの?」
「ん…、どうでしょう。相手の本当の姿は分かりマセン…」
ロコタは急にトーンダウンしました。
「それにワタシは製造されて以来ずっと一人なので、そもそもトモダチというのがよく分からないノデス」
「じゃあ、私がお友達になるっ!」
「えっ! いいのデスカ?」
「コロタン、わたしのお友達になってくれる?」
「もちろんです、是非!ゼヒ!」
ロコタは嬉しそうに答えました。
「やったー、じゃぁわたしが
コロタンのお友達第一号だね!」
トモダチ宣言を交わした二人はとても楽しそうに、人混みの中を進んでいきました。
「では1号、まず広場の屋台を攻めマショウ!
美味しいものがあるハズ」
「うん、攻めるー! お腹空いたーーっ!」
「あっでもポプリ、くれぐれも迷子にはならないで下さい。
甘いものの誘惑に負けてどこかへ
行ったりなどしないように!
ここではぐれたら大変デスヨ」
「大丈夫だよー、わたし子供じゃいないよぅ」
どのアングルから見ても子供!
ロコタはそう思いましたが、、
いや、子供にもすごく子供寄りの子供とそうでもないのと色々種類があるのだろう。
ポプリは子供には違いないが、
そこまでの子供ではない。
そう、考えました。
こうして二人は、
ごはんを食べたり、
おもちゃ達の芸を
見たり、
少し怖そうな人寄せに入ってみたり…。
限られた時間の中で、
この国一の歓楽街を満喫しました。