彼方のメロディー II

「音が聞こえるの!」

「このメロディ、わたしがおうちで聞いたの同じ!
今度ははっきり聞こえる!

こっちだ!」

ポプリは暗闇の中、奥へ走って行ってしまいました。

「危ないですヨ!」

ロコタは、見えなくなってしまったポプリの後を追います。


ポプリの前にあったのは、
廃棄処分の決まったおもちゃの山でした。

「この中から聞こえる!」

ポプリはその山を駆け上がり、 汚れた大量のおもちゃの上に飛び乗りました。

「…んーっ、この辺かな」


ガサガサっ… ガサっ…


「…んーーっ、違う、もうちょっとこっち…!」


音が聞こえてくる一点を目指して、
ひたすらおもちゃを掻き分けます。


ガサガサっ…


「近くなってきたっ!」


ガサガサっ…

ガサ、ガサっ…


ガサ、





そして、
両手が真っ黒になってきた頃…

ようやく、音の主を見つけました。

ガサっ…

「…あなただったのね!」




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