第八曲 イッツ・ショータイム
「さーさー、お集りの紳士淑女の
おもちゃのみなさん!
ようこそ、我がサーカス団の館へ。
素敵なショーの始まりですよっ!」
「さーさー、お集りの紳士淑女の
おもちゃのみなさん!
ようこそ、我がサーカス団の館へ。
素敵なショーの始まりですよっ!」
中ではピエロがショーをやっているようでした。
「これは面白そうですね、見ていきマショウ!」
テントの中にはすでに多くのお客さんが集まっていました。
二人は、空いてる席を見つけて座ります。
「さ〜て、最初はこれだー!」
ピエロの掛け声とともに
ジャグリングをするおもちゃ達が出てきました。
巧みなテクニックに二人とも
感心しながら見ていると、
「あっポプリ、上を見るのデス!」
続けて、天井に綱渡りするサルのおもちゃも出てきました。
「すごいねー、わたし自転車だけでも
うまく乗れないのに!」
「見ているだけで落ちそうで、
こっちの方が緊張マス…」
と言っている矢先、
なんとサルはロープから落ちてしまいます。
「あっ!!」
二人も観客も声を
あげます。
しかし、見事に
下にあった玉に乗りました。
「おおおおっ、おサルさんすごい!」
「さすがはサーカス団。
よく訓練されていマス!」
「わたし決めた! ここに弟子入りするわっ!」
ポプリも楽しんでいるようです。
「お次はこれだー!
「さーお前達、
日々の練習の成果を
見せるのです!」
ライオン、クマ、リスのフェルト人形達の
輪くぐりが始まりました。
登場するおもちゃが増えてくるにつれ、
テント内はさらに盛り上がってきます。
そして、続けて出てきたのは…
「このお馬さんと同じ形が
下のステンドグラスに
二つ隠れているよ!
見つけられるかな?」
「はいっ、そこまでー♫」
「では今度は私自らウォーターショーを
お見せしましょう!
それっ!」
鮮やかに彩られた大量の水が発生し、
天井へ立ち昇りました。
「わーーすごいキレイだね!!」
「どうやってやってるんでしょうね、不思議デス!」
しかし次の瞬間、
天井の水は
濁った水に変化しました。
「大洪水のプレゼントですよ〜!
ひゃーーひゃっひゃっひゃ!」
巨大な水の塊が
観客におそいかかります。
「ぅわーーーっ、あたし泳げないよーー!」
「ワタシも水は苦手なのデスーー!」
しかしぶつかりそうになる、その瞬間、
黒い水はハトに変わりました。
「なーんちゃって!」
おおおおおおおっ!
観客から歓声が湧きます。
「さー、ラストは本当のプレゼントだぁ!
この踊る箱達の中から
好きなもの一つだけあげちゃうよ〜」
「ただしちびっ子限定だよ〜!
ハズレもあるからね〜」
「ハイ、じゃー今日はここまでっ!」
「それではみなさん、
アディオーーース!」
ポプリはギフトボックスを一つ選び、
それをもらって二人はテントを出ました。
「どうでしたかポプリ、甘いものは出なかったですが、
スリルと興奮は味わえましたネ!」
「うん、楽しかったー!
ウフフ、あのピエロさん、なかなか達者ね」
ポプリは感心して言いました。
「ところでその箱、中身は何デショウカ?」
「開けてみるね!
何かなっ、お菓子かなー!?」
中にはボロボロのラッパのおもちゃが
入ってました。
「うーん、ハズレもあるからね〜と小声で言っていましたノデ、、」
「これはハズレね…」
二人はちょっとしょぼくれながらも
再び時計橋を目指し、
歩いて行きました。