第七曲 スウィートアヴェニュー
そこは一変して賑やかな
街並みでした。
そこは一変して賑やかな
街並みでした。
「ワーイ、かわいいおうちがいっぱい!
人? というかおもちゃ? なのかな。
ヘンテコリンがいっぱいいるね!」
「時計橋の方へ進むと
もっと賑やかになりますヨ」
「とけいばし?」
「そう、あれデス」
ロコタの指差す方に大きな時計塔が見えました。
「パレードでは、
選りすぐりのおもちゃ達が
あの時計塔から
練り歩いて行くノデス!!」
「くぅーーーーっ、かっこいいね!」
ポプリはしびれました。
「そーいえば、ポプリはどこから
やってきたのですか?」
「んー、よくわかんない…
音の鳴る方へ行ったら、この世界に来ちゃったんだー」
音?
「うん、でもその音の主はコロタンじゃないみたいね。こんなに近いのに全然聞こえないもん」
「音ならワタシにも出せますよ」
ロコタは腕とバネの接合部分を回してキコキコならしてみせます。
「ぷぷぷ、変な音〜」
「んー、そろそろ油をさした方が
いいかもシレマセン…」
「こっちも鳴るかなー?」
そう言ってポプリは、
コロタの足の付け根の金具付近に手を伸ばします。
「ちょっと、ポプリっ、
そこは私のデリケートゾーンです!」
「ん?」
ポプリはキョトンとしました。
「…とっ、とにかく、あの時計橋を目指しマショウ」
「うん!」
二人が先に進むにつれて徐々に活気も
増えてきました。
「少しづつ、お祭りムードになってきましたネ」
「ほんとだ、
美味しそうなお店も出てきた!
わたし、甘いもの大好きっ!」
ポプリは見知らぬ世界への
不安も感じず、
楽しく進んで行きました。
「…なるほど、その音の出所を
探しているというわけですネ?」
「そうなの」
「どうですか、この街で見つけられそうデスカ?」
「分からない。今は全然聞こえないな」
「そうですか…。
でも時計橋付近までいけば人が多くなるので、
聞こえる確率は上がるかもしれませんネ」
「そっか、じゃあそこでちょっと探してみるね!」
しばらく歩いて行くと…
「見てください、ポプリ。
人だかりができていますヨ」
少し拓けた敷地に、
円形のテントがありました。
「なんだろう? 美味しいお菓子があるのかな!」
「行ってみマショウ!」
そう言って二人はテントの中に入ってみました。