「わーい、ありがとう!
黄色いおねーちゃんと
ロボットさん」
ロコタは周辺を見渡し、
橋のすぐ近くにあの少年の姿を見つけました。
「これからはこのボールの元気を
溜めすぎないように、もっともっと遊んであげるといいデスヨ」
「うん…そうするよ!
おうちで眺めてるだけで、ほとんど外に出してなかったんだ…
」
そして少年は笑顔で何度も手を振りながら去って行きました。
「嬉しそうでよかったね、コロタン」
「そうですね、我々はいいことをしまシタ」
「それに、おねーちゃん… とてもいい響き…」
「なるほど、あのボールを追いかけて地下の廃棄処理施設までやってきたのですね」
兵隊は二人が持っていた球体の正体が
気になっていましたが
分かって、納得したようでした。
「ところで、ポプリさんはそもそもどうやってこの世界へやって来れたのですか?
おもちゃの世界の住人は人間の世界へは行けますが、人間はこちらには来られないはずなのですが…」
兵隊は不思議そうに尋ねました。
「えっとね、音のなる方へ歩いていったら、キラキラした光の輪っかがあってね、それに触ったら来れたんだー」
「…光の輪…ですか。
…なるほど。
それはもしかしたら
事象の地平線かもしれませんね」
「じ…?」
「まー秘密の入り口みたいなものです。
噂は昔からありましたからね」
「…いけない、、もう行かなくては。
早くパンパカパーン隊に合流しないと」
「頑張ってね、兵隊さん!」
「兵隊殿の勇姿、しかとこの目に焼き付けますゾ!」
「ありがとうっ二人とも、では!」
兵隊は二人に敬礼すると、
パレードのスタート地点である時計橋の門塔へ向かいました。
「私達も行こう、コロタン!
なるべくいい場所で見たいし!」
「そうですね、行きマショウ!」
そうして二人は期待に胸を弾ませながら、パレードの行われる大通りへ向かいました。